書面による決議とはどういったものか、少し詳しく教えて下さい。

投稿日:2015年05月12日 作成者:右田 順久 (1704 ヒット)
相談内容

昨秋、新築分譲マンションを購入し、初めてマンションの住まいを始めた一住民(女性)です。

そのうち管理組合の役員になるなときに備えて、今のからうちの組合の管理規約を暇な時に読んでいます。
その真ん中辺に、<書面による決議>に関する条文がありますが、その内容、書かれている意味がさっぱり解りません。スミマセンがよく分かるように教えてくれませんか?ちなみに、この管理規約は今の標準管理規約というものに準じていると聞いております。

回答

・区分所有法では、書面又は電磁的方法による決議について規定され(平成14年改正)、これに伴ないマンション標準管理規約の改正(平成16年)の際に準用された内容です。

多様化する分譲マンションでの合意形成、IT化の進展に伴う対応も考慮した規定です。

・区分所有法では、「議決権は、書面で、又は代理人によって行使することができる」(39条2項)、また「この法律又は規約により集会において決議すべき場合において、区分所有者全員の承諾があるときは、書面による決議をすることができる」(同法45条1項)とあり、標準管理規約も同様に規定(電磁的方法を採る場合/採らない場合)されました。以下その内容について補足説明します。

・第50条第1項の意味するところは、規約で総会の決議で決することになっている場合、書面で決議の方法を取ることに区分所有者全員の承諾を得られるとき(一人でも反対があれば書面決議は不可)に限って、書面で決議(賛否を問う)ことができるということ。

その理由として、本来は多数決の前提である総会に出席して組合員同士で議論を経て、その賛否により決議する機会を省くことになるため、「議論の場がなくなる」ことについての事前の承諾を得ることを前提とします。なお、この場合の承諾は、総会を開催しないで書面で決議することに賛成する、という意味で、議案内容に賛成する訳ではありません。

・第2項については、規約で総会の決議で決することになっている事項を、議案について書面による決議をすることに全員の合意が得られ場合は、書面による決議が有効に成立したものとして扱うということです。これは前項の事前の区分所有者全員の承諾がなくても区分所有者全員が議案に賛成する書面を提出すれば、議案に関して有効に可決する、という意味です。

第3項は、前2項の書面による決議も実際に総会を開く決議と同じ効力があるとの意味。

・最近の外部居住者が多いマンション(リゾート型、投資型マンションとか)とか、総会を招集しても出席者が集まりにくいとか、会場確保が困難な場合など、総会をしないで意思決定を行う為に考えられたのがこのような書面による決議であると思われます。住居専用で永年のルールの下で運営してきた管理組合では、現状では適用されるケースはあまりないと思われます。

補足コメント

・いずれにしても書面決議よる方法は、総会を開催して組合員による合意形成、多数決議による機会をなくすことですから、実施する場合においては、議案内容により区分所有者の賛否の予想や具体的な討議への要請などの諸事情を勘案し、書面決議をとる場合には、容易に区分所有者全員の合意が得られるよう配慮することが重要です。

注:ここにご紹介しております相談事例につきましては、秘密保持義務(マンション管理適正化法第42条)遵守の関係から当事務所に寄せられた直接的内容のものではございません。

 


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