単棟型の管理規約を団地型の管理規約に変更を検討したい。留意すべき点など教えて下さい。

投稿日:2015年07月10日 作成者:右田 順久 (5432 ヒット)
相談内容

16年前に地元の建設会社が分譲したマンション(戸数:224戸、4棟)に住んでいます。2回目の理事となり理事長を引き受けた者です。久しぶりに管理規約を読直したり、友人に聞いたりしたところ、同じ敷地に複数の棟がありながら、私達のマンションでは、どうやら単棟型の管理規約内容のようです。今期理事会では、標準管理規約を参考にして団地型へ変更することを検討していますが、団地型の管理規約に変更する際の留意点などについて、教えて下さい。

回答

・最近では、同じ敷地を共有し複数棟があるマンションを分譲する際、原始管理規約は団地型管理規約の内容が殆どだと思いますが、分譲会社が国の示す雛形(当時は中高層標準管理規約。1997年の改正で団地型を提示)を反映することなく管理規約案を作成したのかもしれません。以下に団地型に変更にあたっての留意点を示します。

・まず、規約改正を検討する際は、これまで組合員の皆さんは従来からの規約をもとに組合運営をしてこられた事実がありますので、これまでの現行規約での問題点、過去の規約見直し経緯など把握すること、また見直しが必要な根拠を明確にすることがひじょうに重要です。(これらは規約やルールを見直しの場合に共通することです)

・団地型管理規約は、土地、建物、付属施設、棟毎の構成を考慮して、マンション全体として纏めたものです。したがって、次のような団地型と単体型で異なる点を十分踏まえられ、貴方のマンション実状を考慮して見直しをされることが必要です。

・団地型管理規約と単棟型管理規約との違いによる主な留意点

  • 団地型マンションは、複数棟で構成される全体の管理を一元的に行います。そのため土地(含む通路)付属施設(集会室など)の団地共用部分と、棟の共用部分を区別しながら、団地管理組合として一体的に管理運営を行う管理規約の構成とすることになる。
  • 管理の費用負担となる修繕積立金は、団地修繕積立金と棟別修繕積立金と分け区分経理して管理されることが一般的であること。(長期修繕計画についても同様)但し、従来一本の共通積立金で実施の場合には、よく議論をしながら慎重な検討が必要。
  • 団地管理組合の一元管理でも、各棟毎でしか決められないことがあること。
    例:共同利益義務違反者の訴え/建替え/建物一部滅失の復旧など
補足コメント

・現在は国土交通省から団地型の標準管理規約の雛形及びコメント(考え方のガイド)が示されていますので、これを基本に検討することをお勧めします。

・過去の運営上の問題点の把握しておくことが、欠かせませんので過去に理事を経験された方、組合員の意見も踏まえ、今の管理組合の運営の実状に合わせ検討することが大切です。

・管理規約の変更は総会の特別決議となりますので、事前の住民説明会の準備を含むスケジューリングして進めることが必要です。

・このような規約改正の際にも、マンション管理士はお役に立てることができます。

注:ここにご紹介しております相談事例につきましては、秘密保持義務(マンション管理適正化法第42条)遵守の関係から当事務所に寄せられた直接的内容のものではございません。

 


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