“30万戸以上5社で3割弱、10万戸以上15社で5割超す”〜2020年版・総合管理受託数ランキング(マンション管理新聞)〜

投稿日:2020年06月01日 作成者:右田 順久 (201 ヒット)

マンション管理新聞社は、管理会社各社の2020年3月末現在の総合管理受託戸数の調査を実施した。
その結果を「総合管理受託戸数ランキング」2020年度版として発表する。同集計には部分管理や賃貸管理戸数を除いた。集計した管理会社は514社。4月1日付で合併や管理事業を譲り受けた管理会社の場合は、吸収されたり、事業譲渡した管理会社の3月末時点での受託戸数を合算して集計した。

「グループ別ランキング」(後掲のランキング2.を参照)は持ち株などで事実上支配下にある会社の管理受託戸数を総合集計したもの。オリックスのグループ広報によれば、社内で現在、大京アステージと穴吹コミュニティを「大京ユニット」と表現しているが、弊紙の調査では「グループ」として集計した。                  
 グループ上位15社の顔触れは同じだが、野村不動産パートナーズと日本総合住生活が入れ替わり、それぞれ10位、11位となった。「会社別上位15社の顔ぶれ」(後掲のランキング1.を参照)に変化はなかったが、順位に変動があった。長谷工コミュニティが長谷工スマイルコミュニティ(前回26位、沖縄支店の管理事業を新会社。長谷工コミュニティ沖縄に分割継承)と総合ハウジングサービス(同28位)を吸収合併したことで、36万6793戸を数え、前回の5位から3位にランクアップした。
合人社計画研究所が昨年から1万2423戸増やしたことで、三井不動産レジデンシャルサービスを抜いて7位になった。野村不動産パートナーズは前回の12位から10位へランクアップした。
9位の住友不動産建物サービスは前回同様順位は9位だが、1万7574戸も減らした。昨年の人手不足、人件費高騰を受けて同社がサービスの品質を保てないとして「契約辞退」を申し入れた結果の表れだ。弊紙が昨年10月15日第1118号の「業界を覆う『建サ』ショック」で詳細を報じたが、親会社である住友不動産の積極的なマンション供給を考慮すると、「約1割に『辞退』を通知」と報じた弊紙の内容を裏付けた形だ。同社の決断は「これまで『どんな案件でも抱えていないといけない、管理組合の無理な要求にも応じないといけない』とする風潮があった管理業界に一石を投じた」との指摘も多く、実際、契約辞退を申し出た管理会社も少なくない。
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「コスト競争」から「IT化競争」へシフト必至
 弊紙が昨年8〜9月に管理会社30社を対象に実施したアンケート調査で、30社全てが「管理委託費の値上げの可能性を感じている」と回答。その約9割が実際に「値上げ提案を行っている」と答え、また、全体の7割以上に当たる22社が契約辞退などの措置を「取ることがある」と回答した(2019年10月25日付・第1119号参照)。最低賃金の上昇や働き方改革などでコスト増がその背景にある。また、「契約辞退」の申し出の理由では「採算が取れない」以上に、「管理組合の要求・注文が不合理」がトップを占めた。管理会社各社は業務の効率化、社内経費の見直しによる経営努力、そして管理業務の仕様変更の申し出などさまざまな努力を重ねたものの、「値上げ」提案が受け入れられず、結果的に受託管理戸数を減らした管理会社も少なくなかった。
新型コロナウイルス問題で社会のインフラ機能を支える管理会社の重要性が改めて確認された。その一方、人手不足、特に現場従業員の人手不足は深刻度を深めている。管理組合に対して、管理会社の経営環境の理解をどう深めていくかが、大きな課題だ。また、コロナ禍でIT化の必要性が急速に高まった。今後は電子投票による総会、ウェブ理事会、テレビ会議システムなどITを駆使した管理運営が急スピードで拡大しよう。単なるコスト競争から、こうしたIT競争が受託管理戸数ランキングに反映されてくると予想される。
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 総合管理受託戸数ランキングでは30万戸以上が5社、10万戸以上が15社、5万戸以上が23社、3万戸以上が35社、、1万戸以上が85社となった。なお、MMSマンションマネージメントサービス社が管理戸数を減少させているが、同社によれば「部分管理」を見直した結果、としている。
分譲マンションのストックは昨年末時点で664万戸と見込まれる。上位15社の市場占有率は54.7%で昨年から1.0%も増加した。グループ別上位15社ではでは61.2%と昨年と同じだった。
ランキング順位で市場占有率を見ると、上位10社で44.7%(昨年43.7%)、20社で60.2%(同59.2%)、30社で67.1%(同66.5%)、40社で71.7%(同71.4%)、50社で74.8%(同74.8%)、100社で84.6%(84.7%)となった。
増加戸数ランキングについては(同リストは割愛)、合併効果で9万戸以上増加させた長谷工コミュ二ティがトップ。住友不動産建物サービスをはじめとした管理会社による『管理委託契約辞退申し入れ』の動きに伴い、この1年はちょっとしたリプレイス活況時期でもあった。


1.【2020年版の管理会社上位15社の顔触れ】 ※( )内は総合管理の受託戸数
第1位:日本ハウズイング(459,551戸)、第2位:大京アステージ(429,576戸)、第3位:長谷工コミュニティ(366,793戸)、第4位:東急コミュニティ)(341,041戸)、第5位:三菱地所コミュニティ(335,980戸)、第6位:大和ライフネクスト(273,011戸)、第7位:合人社計画研究所(217,075戸)、第8位:三井不動産レジデンシャルサービス(209,421戸)、第9位:住友不動産建物サービス(173,147戸)、第10位:野村不動産パートナーズ(164,126戸)、第11位:日本総合住生活(161,162戸)、第12位:コミュニティワン(160,377戸)、第13位:あなぶきハウジングサービス(127,990戸)、第14位:穴吹コミュニティ(108,757戸)、第15位:伊藤忠アーバンコミュニティ(106,680戸)

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2.【2020年版グループ別ランキング】 ※G:グループ、( )内:グループの受託戸数
第1位:大京G(538,333戸)、第2位:東急コミュニティG(525,313戸)、第3位:日本ハウズイング  (460.454戸)、第4位:長谷工管理ホールディングス(403,275戸)、第5位:大和ハウスG371,524戸 )、第6位:三菱地所コミュニティ(335,980戸)、第7位:三井不動産レジデンシャルサービスG(277,985戸)、第8位;合人社計画研究所G(244,856戸)、第9位:住友不動産建物サービス(173,147戸)、第10位:野村不動産パートナーズ(164,126戸)、第11位:日本総合住生活(161,162戸)、第12位:あなぶきハウジングサービス(127,990戸)第13位:伊藤忠アーバンコミュニティ(106,680戸)、第14位:日本管財G(96,834戸)、第15位:東京建物アメニティサポート(76,387戸)
〜終わり〜
(マンション管理新聞:令和2年5月25日付より抜粋)


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