入居以来、管理規約の見直しがありません。どう取り組めばよいですか?

投稿日:2014年07月04日 作成者:右田 順久 (4756 ヒット)
相談内容

私のマンションの管理規約は、30数年前に入居してからずっとそのままで、理事会では規約に書かれたことより、これまで慣習的な決め事により進めてきたようです。 住民はバブル時にかなり入れ替わり、当初から住んでいる人も今では誰もいません。
今期初めて理事になったので、手初めに勉強にと標準管理規約に関する本を見てみたところ、随分と異なるところがあるようです。このままでよいか大変気になります。

回答

・マンションの権利関係に係る法律(区分所有法)も当時から大きく変わって(1983年、2002年改正)いますし、分譲時の管理規約(原始規約)は分譲業者や管理会社に都合のよい内容となっていることもありますので、貴方のマンションの規約の内容を見ないと分かりませんが、皆さんで現状と照らしてよく見直した方が良いと思います。
・これまで管理組合で大きな問題が起こってこなかったとしたら、理事会と組合員とでそれなりに民主的に運営されてきたとも思われ、むしろ幸運だったと思えます。
・見直しにあたっては、理事会の中でこれまでの問題点、改正する必要性の認識を共有し、規約見直しの専門委員会を設けて検討するとよいと思います。
・なお、検討に際しては、以下の点に留意しながら進めることが大切です。

1)現行の標準管理規約だけでなく、区分所有法も関係するので注意が必要
今の管理規約は1983年改正前の区分所有法に従い作られているはずですので、現行の法律の規定 (強行規定)との整合性なども確認する必要があると思います。
2)標準管理規約の規定内容と今の管理組合ルール・運用との整合性の検討
最新しいをそのまま盛り込んでしまうと、これまでの組合運営との矛盾が生じるおそれも予想されま
すので、組合員の意見も聞きながら慎重な対応が必要です。
3)今期の理事会メンバーだけではなく、役員経験者、関心がある組合員など含めたメンバーで幅広
く検討、また組合員向け説明会開催の配慮も重要です。

補足コメント

管理規約は、分譲マンションに居住する組合員・住民にとっての憲法ともいえる基本的なルールであり、規約の変更には総会決議(特別決議)が必要となります。
理事会が主体となって合意形成を図り進めることが重要ですが、円滑かつ効率的に進めるためには、第三者的立場で、管理運営の専門家であるマンション管理士の活用をされることもお薦めします。

注:ここにご紹介しております相談事例につきましては、秘密保持義務(マンション管理適正化法第42条)遵守の関係から当事務所に寄せられた直接的内容のものではございません。

 


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