滞納が増加しているが、管理会社に任せたままでよいのでしょうか?

投稿日:2014年07月04日 作成者:右田 順久 (4768 ヒット)
相談内容

私達の管理組合(18年、125戸)では、外部の居住者が増えていることにもあってか、管理費等の滞納する件数が増加の傾向にあり、資金不足につながらないか心配です。
組合員の中には、滞納者への督促業務は管理会社との管理委託契約に含まれているはずだから、しっかりやるよう理事会が監督すればよいとの考えている人も多数いるようです。
この考え方を私は正しくないと思うのですが、どうなのでしょうか?

回答

・正しくありません。今の管理会社と管理委託契約を最初に締結する際に、“我が社では管理業務の中で管理費滞納の督促もキチンとやらせてもらうので安心です”と言われていたとしても、管理費等を徴収、回収する責任はあくまで管理組合にあります。長期滞留して時効となり回収不能となっても管理会社へ弁済請求するのは無理です。
・その理由として、共有財産を維持管理するための管理組合の運営に必要な費用を納入し管理することは所属メンバーである組合員間の義務であって、管理会社は、マンション管理のプロであっても管理組合の業務を補助する第三者でしかないからです。
・まず、貴方の管理組合と管理会社との管理委託契約の内容を確認してみて下さい。その内容に沿って管理会社が履行の状況、督促状況の報告内容を調べてみて下さい。
また現在、国交省が示す管理委託契約の雛形の中には“管理会社が(別表で定めた期間)督促しても、なお当該区分所有者が支払わないときはその責めを免れるものとし、その後の収納の請求は管理組合が行うものとする”(標準管理委託契約第10条)にありますので貴方の管理組合との委託契約もおそらくこれに準じた内容と思います。
・管理費の滞納督促を含め回収までの責任は、あくまで管理組合自身にあることを、組合員間で認識され、理事会を通じ管理会社に協力を求めて滞留案件を撲滅しましょう。

補足コメント

管理費等の延滞対策は、できるだけ早くから行うことしかありません。6か月経ち(管理会社から組合に戻され?)慌てて取組んでも後手に回ると大変な苦労となります。
滞納状況、原因を掴み、場合によっては法的措置も厭わないくらいの覚悟も必要です。

注:ここにご紹介しております相談事例につきましては、秘密保持義務(マンション管理適正化法第42条)遵守の関係から当事務所に寄せられた直接的内容のものではございません。

 


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