管理組合会計の統一的ルールや標準様式等がないのはどうして?

投稿日:2014年05月09日 作成者:右田 順久 (3839 ヒット)
相談内容

友人の住むマンションの総会議案書を見せてもらいましたが、決算報告議案の中の収支決算書や貸借対照表など、書式や作成の仕方が、私のマンションと随分と異なるようです。 建物・設備を共同管理するうえで、その財源を管理する会計は重要なのにもかかわらず、管理組合会計のルールや、標準管理規約や標準管理委託契約書など雛形となるものが見当たらないようなのですが・・・?  その理由や状況について教えて下さい。

回答

残念ですが、ご質問の通りで、マンション会計管理は、それぞれの独自性が強いこともあって、いまだ統一的な基準、ルールは存在しません。

そのため個々の管理組合は、それぞれのマンションの状況に合わせて管理組合としての会計管理を行っています。例えば管理会社に委託している場合には、個々の管理会社が、従来から用いて提供される財務諸表などの書式・ツールにもとづきながら、会計の管理をしているのが現状です。

最近10数年の間に、国交省がマンション管理の適正な運営の為に、啓蒙・指導的なツールとして、標準管理規約、標準管理委託契約、標準管理指針などの規範、委託契約、維持修繕、全体管理の指導指針・ガイド的なものも整備されてきました。それらの中で共有財産を管理するために適切な会計を行う管理の考え方についても触れられていますので、お住いのマンションの実状に合わせ、適正な管理組合会計となるよう努めましょう。

補足コメント

最近、管理組合会計に関するよい書籍も出てきております。当事務所のHPの【お知らせ】でも最近のニュースとして概要など掲載していますので、ぜひご覧下さい。貴方のマンションの会計報告、計算書類について関心を持つことが、大切な管理費や積立金など資産管理の改善につながります。

注:ここにご紹介しております相談事例につきましては、秘密保持義務(マンション管理適正化法第42条)遵守の関係から当事務所に寄せられた直接的内容のものではございません。

 


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