「市街地再開発なら、建て替え3分の2で」~改正法案が成立 国交省は実施目標・今後10年で約30団地~

投稿日:2016年06月06日 作成者:右田 順久 (5010 ヒット)

 都市再開発法を含む都市再生特別措置法等一部改正法案は6月1日、参議院本会議で賛成多数により可決・成立した。
自治体が都市計画に位置付ける場合の市街地再開発事業としてのマンション建て替えは、敷地共有者3分の2の同意でできるようになる。国土交通省は今後10年間で30団地での実施を目標としている。

 一括法案の中でマンションが特に関係するのは都市再開発法第20条の改正。組合施行の第一種市街地再開発事業において、敷地共有では共有者全員の合意が必要だったが、共有者各人を1人と数え方を改めることで、同意要件が通常の再開発事業同様の3分の2以上になる。
建て替えに伴う敷地分割は行いやすくなるとされ、一定の既存建築物を存置できる個別利用区制度も創設された。法案の審議は衆・参両院国土交通委員会で5月20日と31日行われ、共に賛成多数で原案通り可決した。
 5月20日衆・国土交通委員会で黒岩宇洋議員(民進)は、団地再生における区分所有法と都市再活法の優先関係を質問。
由木文彦同省住宅局長は「どちらの法を選ぶかは住民の合意形成次第」と答え、法改正により建て替えの際、市街地再開発事業が使いやすくなり、今後10年間の実施目標を「築45年以上の団地300弱のうち、1割に当たる約30団地」と示した。従前の1筆共有・全員同意による市街地再開発型建て替え実積は「墨田区の旧同潤会アパートのみ」答えた(同月31日・参院)。
木村伸子議員(共産)は20日、建て替えに際し区分所有法と比べ同意要件が低く、財産権・居住権の侵害になるのではと質問。
由木局長は区分所有法と異なり自治体の都市計画決定が必要となる点を強調し、「一定の施行区域要件を満たし、公益性・公共性のある事業として実施されるため、財産権等の侵害にはならない」と答えた。
 市街地建築課によると、改正法の施行時期は9月中の見込。(マンション管理新聞:平成28年6月5日付)


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