「『総会の在り方検討、追加的選択が目的』、「議決権行使・本人確認等―論点・考え方」を提示<管理協>〜『IT総会』でガイドライン、具体的取扱い例も〜

投稿日:2020年12月15日 作成者:右田 順久 (269 ヒット)

一般社団法人マンション管理業協会(管理協)は12月2日、IT技術を活用して管理組合の総会を行う場合の法的・実務的論点と考え方を示したガイドラインを1日付けで策定した、と発表した。実際に人が集まる「リアル」に加え、オンラインによる出席を認める「リアル+オンライン併用型」ではオンライン出席者の出席・議決権行使の取り扱い、本人確認、質問の取り扱いなどを論点に挙げている。


ガイドラインは管理協が9月に設置した「ITを活用した総会の在り方検討会」(座長=鎌野邦樹・早稲田大学法学学術院教授)が2回にわたる会合を経て、」作成した。同検討会は1日付けで報告書をまとめ、管理協理事長名で国土交通省住宅局長・法務省民事局長に提示している。
報告書ではコロナ渦で政府から「新しい生活様式」が示されたが「管理組合運営においても大きな変革が求められている」と指摘。今冬の「第三波」到来に対し、「三密」を回避・緩和して総会などを開催できる方法を構築する必要があり「場所の制約を受けず、どこにいても参加可能な『新しい総会のスタイル』が望まれている」と述べ「その実現に向けITの利活用は必要不可欠」だとしている。その一方で、総会をどう開催するかは管理組合の規模、IT環境の整備状況や区分所有者のIT環境の有無、あるいはITへの理解度などに起因する格差を踏まえ「望ましい手法が検討されるべき」だとし、「必ずしも」『ITを活用した総会』が望ましいという方向性を提示するものではないと言及。検討会が策定したガイドラインは、あくまで管理組合が総会の在り方を検討する際の「追加的な選択」を提示するのが目的だ、としている。
報告書では「リアル+オンライン併用型」に加え、実際に人が集まらず、ウェブ会議システムなどを使って出席・議決権行使を行う「オンライン」総会・理事会について基本的な考えを示す一方、法的論点を提示。論点についての考え方を別途「ガイドライン」に示した。
(下記の【別表1:法的・実務的点】をご参照)

IT総会が現行の区分所有法上開催できるかどうかについては「否定されるものではないと考える」と結論付けている。リアルタイムに開催場所と区分所有者との間で情報伝達の双方向性と即時性が確保されている環境にあれば総会の意義を満たし、建設的な議論の機会として「有用な手段」だと位置付けた。

IT理事会については、「リアル+オンライン併用型」「オンライン」いずれも「管理規約への規定が必要だと考えられる」とし、「標準管理規約への反映が必要」との認識を示している。規定については、オンライン理事会の開催方法、リアルに加えオンライン出席・議決権行使を認める旨の条文を挙げている。
また、今後は、コロナ禍という緊急措置ではなく、ITの利活用拡大に鑑み、IT総会の適正実施に向け区分所有法やマンション標準管理規約などにおける法解釈の明文化が必要だとした。【別表2:今後の課題】をご参照)具体的には「オンライン形式で開催する際の招集手続き(通知事項等)」、「オンライン形式で理事会を開催する際の規約モデル」等を挙げた。

【別表1:法的・実務的点】
<リアル+オンライン併用型総会>
➀オンライン出席区分所有者ならびに議決権行使の取り扱いについて
②オンライン出席者(区分所有者・代理人)の本人確認について
③オンライン出席区分所有者からの質問の取り扱いについて
④通信障害等への対応について
<オンライン総会>
➀会議場所の考え方について
②開催方法の選択について

 

【別表2:今後の課題】
<➀オンライン総会・リアル+オンライン併用型総会>
以下の点について区分所有法・標準管理規約等における法解釈の明確化
ⅰオンライン出席区分所有者の議決権行使の取り扱いについて
ⅱオンライン出席の管理者等による、毎年1回の「事務報告」の取り扱いについて
ⅲオンライン形式で開催する際の招集手続き(通知事項等)
<②オンライン理事会・リアル+オンライン併用型理事会>
以下の点について標準管理規約等に明示
ⅰオンライン形式で理事会を開催する際の規約モデル
ⅱオンライン出席者の議決権行使の取り扱いについて
ⅲオンライン形式で開催する際の招集手続き(通知事項等)

(マンション管理新聞:令和2年12月5付)


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