「管理不全」予防・改善へ条例制定~東京都住宅政策審・マンション施策で答申「旧々耐震」、優先支援も~

投稿日:2015年09月14日 作成者:右田 順久 (2211 ヒット)

東京都住宅政策審議会(会長:小林秀樹千葉大学大学院教授)は9月3日、「東京都におけるマンション施策の新たな展開について」都に答申した。
管理不全マンション予防保全等のため、一定の試行期間を経た後、条例化によるマンションの基本情報登録や管理状況報告義務付けを提言している。改修、耐震化、建て替えなどのマンション再生支援の充実も求めた。

7月6日公表の答申素案に対し、同月13日から26日まで意見募集を行い、31人計33通の意見が寄せられた。審議会は9月3日の第2回会合で答申案を了承した。
内容に大きな変化はないが、旧々耐震基準マンションやIs値が特に低いマンションに対する耐震化の優先的支援などを追加している。
答申の特徴は管理不全マンションの予防・改善を目的に、基本情報登録制度や管理状況定期報告制度の創設、条例化による管理組合等への義務付け、行政の調査・指導権限付与等を提言。ただし、条例化には区市町村の協力や法的問題精査が必要なため、施策の対象範囲について一定期間試行的な運用を行い、検証も求めている。高橋竜太郎マンション課長は「試行期間の実施時期や期間は未定」と話している。
管理状況の評価・判定基準は国土交通省の「マンション管理標準指針」等を参考にした作成を提案。管理不全マンションの改善に向けた指導等ではマンション管理士等との連携を指摘している。マンション再生支援では、改修による再生支援は「建て替えと比べ不十分」と指摘し、支援の充実を求めた。段階的な耐震改修等への助成検討や、老朽マンション建て替えでは高さ制限の運用に関し、区市の主体的取り組みを支援すべきとしている。
(マンション管理新聞:平成27年9月15日付)

“また保険料改定”~10月から築30年以上で2倍以上に値上がりも(東京海上日動を除く大手で)~新商品に期待も<管理内容を保険料に反映>~

投稿日:2015年08月27日 作成者:右田 順久 (3775 ヒット)

火災以外のリスクにも幅広く対応するマンション総合保険。今年10月以降、保険料の大幅な値上がりが予定される一方、マンション管理状況を保険料に反映する新商品も始動する。「10月からのマンション保険は新次元に突入する格好。管理組合は9月末までに見直しの必要性を検討して欲しい」と代理店はアドバイスしている。

「一見、目をを疑うような金額も有りますが、これが10月からの現実」とセゾン保険サービスの岩崎正裕マネージャーは指摘する。 同社の協力を得て作成した、今年10月以降の損害保険の5社の築年別保険料は表(割愛)の通り。 前年対比では、例えば築20年は東京海上グループ2社を除く3社で15~71%値上がりする。3社は昨年も保険料率等を改定しており、2年連続の改定。一部は築浅で値下げとなるが、経年マンションの値上げ幅の大きさが目立つ。
新築と築35年を比較すると、三井住友海上は5倍、損保ジャパン日本興亜は4倍と、経年による保険料格差も拡大している。
保険料以外では、免責金額設定の細分化や築年数に応じた免責金額の引き上げ、一定年数以上の原則新規契約不可などを行う会社もある。 東京海上日動は従来通りだが、保険料を改定しないわけではなさそうだ。
代理店の間では「来年4月ごろに保険料を改定する可能性は高い」と見られている。
10月の改定で最も影響を受けるのは長期5年契約で今期満期を迎える高経年の管理組合。5年前と比べ「保険料が8倍になる組合もある」(マンション保険バスターズの西澤健之最高経営責任者)。
値上げ後の金額は管理組合にとって想定を超えるケースが多いため、満期のお知らせを前倒しする形で対応している。「9月末までに長期5年契約を契約し直す、他社に乗り換える、保険内容を削るなど、選択肢はいろいろあるが、検討できる時間は限られている。管理組合は早目に検討を開始して欲しい」(セゾン保険サービスの岩崎氏)と指摘する。

新しい選択肢として登場するのは日新火災の「マンションドクター火災保険」。7月発売開始となった新商品で、一般社団法人日本マンション管理士会連合会(以下、日管連)がマンションの管理状況を診断し、診断結果が保険料に反映される。
現地に派遣されたマンション管理士は14項目について加点方式で評価するが、全項目で最高得点の場合、大幅な値引きとなる。
都内管理会社の保険担当者は「給排水管項目では最高得点がステンレス管だったり、総じて評価のハードルは高い。高経年マンションで全部満点は考えにくく、標準的なマンションであれば激安というわけではない」と指摘する。別の代理店は「保険商品選びは損害事故発生時の保険会社の対応なども考慮すべきなので、様子見したい」と話す。
現在、日管連には50件以上の診断申し込みがあり、「管理組合にとって適正な管理運営への動機付けになればありがたい」(村上民夫事務局長)と話している。
損保ジャパン日本興亜では63項目のチェックリストを作成し、保険の引き受け条件に活用し始めている。あいおいニッセイ同和損保は「10月の時点では導入しないが管理内容と保険料を連動させる仕組みは検討している」(広報担当)としており、新たな潮流を予感させる。

「永遠のテーマかもしれないが、個人賠償特約について今一度議論してもよいのでは」とマンション保険バスターズの西澤氏は提案する。マンション保険での請求金額最多は個人賠償事故のため、個人賠償は最重要の特約であると同時に、保険料値上げの一大要因にもなっている。個人賠償を個人加入にすると加入漏れの恐れがある。
西澤氏によると福岡県のマンションで、保険料値上がりのため「理事会が管理費の値上げか個人賠償の特約を外すか賛否両論となり、膠着状態となった」と話す。
打開策として同社では戸当たり年間2000円の委託料で、個人単位の加入に対応する一括管理の仕組みを考案。代理店が全戸の補償状況を管理し、満期案内も行い、補償不要とする人には管理組合に漏水時賠償の覚書を提出してもらう。
大手管理会社の保険担当者は「保険料高騰で管理費の値上げが必要というほどの管理組合はまだ少ない。外すと加入漏れまで手が回らない」と話す。管理費値上げの大きな要素になるほど保険料の高騰が続く場合、代理店も新たな仕組みを考えておく必要がありそうだ。
(マンション管理新聞:平成27年8月15・25付)

「『標準』の基本を逸脱」~大幅な見直しを要望<マンション学会>管理ルール検討会報告書に意見~

投稿日:2015年07月10日 作成者:右田 順久 (1976 ヒット)

一般社団法人日本マンション学会は(梶浦恒男会長)は6月22日、国土交通省が5月8日に公表した「マンションの」新たな管理ルールに関する検討会報告書に対する意見を発表した。外部専門家活用やコミュニティ条項等に関する報告書の記述を「不適切」と指摘。報告書記載の標準管理規約パブリックコメント素案の内容では「標準という名がつく管理規約の基本を逸脱」するとし、11項目にわたり大幅な見直しを求めている。

意見では、役員を外部の専門家に委任する、いわゆる「第三者管理」を想定した改正としては「おおむね適切な内容」と一定の評価を与えたが、区分所有者による理事会・総会方式で行う一般的なマンションを対象にしている箇所は「管理実態を踏まえていない」と批判。
報告書で示された内容は「委任型標準管理規約」として位置づけるか、一般的なマンションを対象とする場合は「管理実態に即して大幅に見直す」よう求めた。
一般的なマンションに適用する場合の問題点として、まず報告書管理組合を「財産管理団体」と強調している点を「偏った法的理解」と批判。管理組合には「物的価値のみならず居住価値の維持」という両面の役割があり、後者の重要さを強調した。
外部専門家活用では、本来役員のなり手不足対策として「持ち回り、コミュティー形成、責任の軽減、管理会社の役割等」の観点からの工夫が必要だとして、報告書は「その視点が決定的に欠落している」と批判している。
利益相反行為は問題意識に理解を示しつつ、「集団の意思決定の中で解決する問題」だと結論付けた。報告書の「過度に誇張」した内容では理事の活動を委縮させ、「理事や委員の事態につながる懸念」があるとして、規約改正ではなくガイドラインでの対応を求めた。
理事会の親族による代理出席を否定している点は、「行き過ぎ」で、不要な混乱を引き起こすと危惧。株式会社の役員会と管理組合の理事会を同一視する発想は「不適切」だとしている。コミュニティー条項では、報告書の記述に「誇張」が含まれ、援用する法律論は「偏り」があり、「不適切」だと指摘。2007年9月20日の東京高裁判決等でコミュティー活動の必要性は認められており、コミュニティー活動を行う管理組合を違法と認めた判例はないことに触れ、コミュニティー条項削除案の撤回を求めた。
その他駐車場使用方法は「特定の方法を推奨するような書きぶりは不適切」だと指摘。専用部分修繕や共用部分保存行為についてはマニュアル検討の必要性に言及した。意見はホームページで公表している。
(マンション管理新聞:平成27年7月5日付)

すでに5組合から依頼~適正化診断サービス<日管連>7月1日スタート~

投稿日:2015年07月10日 作成者:右田 順久 (1850 ヒット)

一般社団法人日本Mンション管理士会連合会(日管連、親泊哲会長)は7月1日、「マンション管理適正化診断サービス」を開始した。
日新火災海上保険が発売した「マンションドクター火災保険」に管理組合が加入する際に必要な診断で、同社と業務提携する日管連が無料で実施する。管理運営状況や修繕工事などを診断し、「管理状況が良好」と判断した場合、保険料が20~30%程度割引かれる。診断後に提出する「マンション共用部分診断レポート」は、維持管理にも役立てることができる、としている。
日管連によると、3日までに東京や大阪など5管理組合から診断サービスの依頼があった。診断申し込みは日管連ホームページでも受け付けている。診断者は日管連加盟の管理士会に所属し、所定の研修を受け、マンション管理士賠償責任保険に加入している管理士。約350人が対応できる状況だ。同保険の始期は10月井1日以降。
(マンション管理新聞:平成27年7月5日付)

「建て替え困難」も対象に~<東京都>国の施策に提案要求・敷地売却で要件緩和要求~

投稿日:2015年06月30日 作成者:右田 順久 (1949 ヒット)

東京都は6月22日、国の2016年度予算・施策に対する都の提案要求を発表した。前回に引き続き、リノベーション等全員合意が必要な共用部分の処分に関し、特別多数決議で対応できる制度導入を提案している。要求はおおむね年に2回行っており、今回の要求も前回の内容踏襲したものが多い。

今回は新たに、マンション建替え円滑化法に導入された「敷地売却制度」に言及した。耐震性能不足マンションに加え、既存不適格で建替えが困難なマンションも適用対象に加えるほか、既存マンションの除却を要件にしない、など適用要件の緩和も求めた。
他に新たな要求として、既存住宅ストックでは、適正な維持管理やリフォームを行う住宅に対する税の特例措置を設け、自主的な取り組みが促進される措置を求めた。
東京オリンピック等に向け公共用地としてマンション共有地の円滑な取得が必要とし、マンションの土地・建物の分離処分化が可能でも、分筆のための共同申請で全員合意が必要なることから、区分所有法と不動産登記法等関連法令の改正を要求。
そのほか、「スマートマンション化」に関し経済産業省MEMS補助事業の早急な再開、住宅金融支援機構のリバースモーゲージ融資限度額引き上げなどを求めている。
引き続き要求しているのは、建築基準法に基づき全員同意が必要な一団地認定廃止に関し、全員合意以外の廃止方法などの新たな仕組みの創設や、区分所有法の建替えで、別敷地での建替えが可能となる仕組みの整備、2戸1化など共用部分の処分を伴う改修・改築に関し、特別多数決議による実施が可能となる制度の導入、耐震診断・改修に関する国の支援拡充など。
(マンション管理新聞:平成27年6月25日付)

『経済原理的色合い濃い』標準管理規約改訂~検討会報告書に言及<マンション管理業協会・定時総会>~

投稿日:2015年06月05日 作成者:右田 順久 (2059 ヒット)

一般社団法人マンション管理業協会(山根弘美理事長)は6月2日、都内で第36回定時総会を開いた。 総会後の懇親会であいさつした山根理事長は、現在改定に向けた取り組みが進んでいるマンション標準管理規約について言及。
国土交通省の「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」がまとめた報告書について「『選択肢を増やす』と言っておられるが、経済原理的的な色合いが少し濃いように感じている」と評して見せた。理事会役員の資格要件について、会社法を参考にしている点にも、「何だろうと思う」と違和感を表明。「経済原理も大切だが、時間軸がずれていると現場では困ったものだな、というのが率直な感想」と述べた。
当日列席した公明党の井上義久幹事長も「標準管理規約については強い関心を持っている」として、「時代の変化に対応できる規約に仕上げていかなければならない。協会と連携を取って、しっかりと議論していきたい」と述べた。
2015年度は、今年1月に開設したウェブサイト「マンショWa」を活性化。各種イベントも実施する。制度改正では、管理組合の負担削減策として大規模修繕時の消費税の見直しを働きかけるための検討などを行う。清掃・植栽業務など現場品質の向上について検討したり、「2025年問題」に関する課題を基にした管理業の中長期的な方針の策定に向けた調査も行う。
(マンション管理新聞:平成27年6月5日付け)

地縁団体同様の支援を~自主防災組織位置付づけも<総務省>コミュニティ―活動行う管理組合~

投稿日:2015年05月18日 作成者:右田 順久 (1983 ヒット)

総務省は5月12日、各都道府県に対し、コミュニティー活動や防災活動を行う管理組合を自治会・町内会等の地縁団体同様、支援対象とするよう通知した。同日発表の「都市部におけるコミュニティの発展方策に関する研究会」報告書の提言を踏まえたもので、行政としては管理組合の役割を財産管理に限定せず、幅広い活動の主体として認めている。

住民制度課長による通知は技術的助言として、自治体が取り組むべき事項を8つ提示。管理組合の扱いについて、管理組合が行うコミュニティ―活動を「良好なコミュニティの形成に資するもの」と評価。自治体が地縁団体を対象に各種の連絡を行ったり、支援する際、「その内容に応じ、管理の一環としてこれらのコミュニティ活動を行っていると認められる管理組合等」に対しても、同様の取扱いを行うことを求めている。
自治体が認める判断基準は「自治体に任せる」と篠原俊博住民制度課長は話す。通知では国土交通省マンション政策室と協議済みと断っており、国交省の標準管理規約のコミュニティ条項が削除されても関係なく、活動の内容を重視して判断できるという考え方だ。
防災面では「多くの区分所有者が居住者として住むマンション」において、防災活動を行う管理組合を「自主防災組織として位置づけることが有効」と指摘。災害対策基本法により市町村長が作成する避難行動要支援者の名簿を管理組合に提供しやすくする形で、管理組合は名簿管理のルール等が求められる。
平時の取り組みでは管理組合による避難・防災訓練等への支援や、管理組合と民生委員等専門機関が連携できる体制の構築支援も求めている。
研究会報告書では、マンションでのコミュニティ―形成の担い手として自治会との関係を4分類し、管理組合を自治会同様「コミュニティ活動の主体」と位置付ける。災害弱者名簿の保有問題も触れている。
(マンション管理新聞:平成27年5月15日付)

長寿命化・質の向上も論点~住生活基本計画見直しへ<国交省>~

投稿日:2015年04月27日 作成者:右田 順久 (1797 ヒット)

国土交通省は4月21日、住生活基本計画(全国計画)を見直すため、社会資本整備審議会住宅宅地分科会(座長:浅見泰司・東京大学大学院教授)を開いた。マンションに関係する論点では、専門家の活用等によるマンション管理適正化の推進、マンションを核にしたコミュニティーづくり等を示した。10回程度会合を開き、パブリックコメントを経て来年3月の閣議決定で改定する方針。

現行の計画における各種成果指標の進展状況では、既存で期間25年以上の長期修繕計画に基づく修繕積立金額を設定している管理組合の割合が2008年の37%から、13年は46%に増加。目標は20年の70%。都道府県で独自に設定できる指標では「マンション管理セミナー・研修会者数」を設定しているケースが1つ。市区町村では「長期修繕計画策定済みマンション率、マンション管理基礎セミナー満足度」を設定したケースが23あった。
今後の全国計画見直しでは、マンションの修繕を通じた長寿命化・質の向上、円滑な建て替え等促進も論点に掲げている。同省は住生活基本法に基づき期間10年の計画を立て、5年ごとに直し。06年の初回計画策定時から「住宅の量確保から質向上への転換」を唱えている。
(マンション管理新聞4月25日付)

標準管理規約改正へ5月にパブリックコメント~管理ルール検討会<国交省>報告書案を了承~

投稿日:2015年04月04日 作成者:右田 順久 (4941 ヒット)

国土交通省は3月27日、「マンションの新たな管理ルールに関する検討会」(座長:福井秀夫・政策研究大学院大学教授)を開き、報告書案が了承された。同省では、報告書案で示されたパブリックコメント素案に基づき、5月初旬前後をめどに意見公募手続きを行い、夏頃までにマンション標準管理規約改正を目指す。「新たな管理ルール」として踏み込んだ内容を示す一方、現行の運営方法も認め、管理組合にとって選択肢が広がる形となる。

検討会は今回で終了。報告書案は標準管理規約・コメントの改正対象となる14項目をピックアップし、問題認識や考え方を提示。パブリックコメント素案も盛り込んだ。管理組合を財産管理団体として強調し、管理者の責務を財産的価値の最大化追求としてとらえている点が特徴だ。
外部専門家活用では理事会存否も含め3パターンを提示。役員規定に新たに欠格要件を設け、会社法等を参考に理事長の理事会への定期報告義務、監事の理事会出席義務等も規定する考え。修繕など管理業務の受発注では、利益相反取引防止の観点から選定に関する「ガイドライン」策定を提案。外部専門家の派遣制度・保険加入の整備を指摘している。
理事会における議決権の代理行使では、配偶者等の代理出席を「望ましくない」と示しつつ、最高裁判決を踏まえ規約明文化による代理出席は可能としている。
総会の議決権割合では、超高層を想定に階数・方角等の価値を反映した価値割合議決権を選択肢に加える。
コミュニティに関する条項は削除する。
会計など管理に関する情報は、財務書類など適切な文書作成・保管に対する理事長の責任を明確化する。管理費等の滞納対策では、滞納発生の場合、管理組合による財産調査に対する同意規定の設置を盛り込む。各種措置はフローチャートで参考提示する。
駐車場の使用方法は公平さに配慮し、定期的な入れ替えなど各種方式を示す考え。
専用部リフォームでは理事会承認を必要とする範囲等を列挙。上下左右階の承認は「過度な運用」とし、窓改修等も理事会承認方式に改正する。保存行為は具体的に例示し、各組合員による単独判断実施の禁止を明文化する。
災害時における理事会決議による応急工事実施や、緊急時における重大な影響を与える恐れがある場合の専有部分等への立ち入りは認める。
会計年度開始時期から総会開始までの支出に関し、理事会承認と総会報告の手続きを明文化する。
当日、委員から「役員を資質・能力等に着目して選任するというが、実際は輪番制が一般的で、現実と乖離しているのでは」という指摘もあり、「新たな管理」がどの程度普及するかは未知数だ。
(マンション管理新聞:平成27年4月5日付)

再生推進・高齢化対応を提言<マンション2025ビジョン懇話会>~マンション管理の将来ビジョン5項目で取組み促す~

投稿日:2015年03月26日 作成者:右田 順久 (1948 ヒット)

いわゆる「団塊の世代」がすべて後期高齢者になり、 65歳以上が全人口比の30%を超える「2025年問題」を見据えた、マンション管理の将来ビジョンを検討する「マンション2025ビジョン懇話会」(座長:斎藤広子明海大学不動産学部教授)が3月16日、東京・霞が関で開かれたシンポジウムで提言をまとめ、発表した。マンション再生の推進や高齢化対策など5点について、関係団体の取り組みを求めた。

提言は①マンション再生の推進、②居住者の高齢化への対応、③資産価値の維持・向上のための施策の構築、④マンションの多様化に備えた他業態との新たな連携、⑤マンション管理の新たな債務ーの5点。
①では耐震・省エネ・バリアフリー改修といった再生メニューの長期修繕計画への組み込み、資金計画対策、再生内容に応じた議決要件の設定、②では認知症や在宅介護等の知識と当事者の人権に配慮した対応ができる情報収集と、情報収集におけるルールの整備の必要性、地域との連携などについて言及。
③ではマンションが立地する町全体を盛り上げて付加価値を高めたり、市場評価につながるマンション再生の実施や情報提供の促進、④ではマンションの多様化に伴い、管理業者がサービスを提供する場合は積極的な他業態との連携が、それぞれ必要だと訴えた。
⑤では管理業者らに、管理を通じて得たノウハウやアイデアが共用部分設計に組み込まれるよう、開発業者らに提案すべきだとした。
懇話会は有識者10人で組織。一般社団法人マンション管理業協会(管理協、山根弘美理事長)が2011年に設置した「マンション長寿命化協議会」が前身で昨年、管理協の諮問を受けていた。
当日は、斎藤広子座長が山根理事長に提言を答申した。山根理事長は「先延ばししない。自分の親、子供、マンション、地域、国の問題としてしっかり取り組んで行きたい」と述べた。
(マンション管理新聞:平成27年3月25日付)

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